BIMソフトは、建物の3Dモデルに部材の仕様や数量、コスト、工程などの情報を持たせ、設計・施工・維持管理などの工程で情報を共有・活用するためのソフトです。
一般的な2D CADが線や図形を使った図面作成を中心とするのに対し、BIMでは3Dモデルと平面図・立面図・断面図・数量表などを連動させて管理できます。設計変更を関連する図面や集計に反映しやすく、関係者間で完成イメージや設計情報を共有できる点が特徴です。
建築・設備分野を中心に、設計検討、施工計画、数量算出、干渉確認、維持管理など、さまざまな業務で活用されています。
BIMソフトには、無料・オープンソースで継続利用できる製品があります。代表例は、IFCデータの作成・編集に対応する「Bonsai」と、BIMワークベンチを備えた「FreeCAD」です。
一方、ArchicadやRevitなどの商用BIMソフトでは、一般企業が製品版を無期限で無料利用できるライセンスは提供されていません。無料で試す方法は、期間限定の体験版、教育目的に限定された学生・教員向けライセンス、閲覧・確認用の無償ビューアーなどです。
無料・オープンソースの製品を実務で使う場合は、必要な図面や属性情報を作成できるか、取引先のBIMソフトとIFCデータを受け渡せるかを事前に確認しましょう。
Bonsaiは、無料・オープンソースのネイティブIFCオーサリング環境です。Blenderの拡張機能として導入し、IFCモデルの作成・編集、図面生成、設備・構造分野のモデリング、数量・コスト・工程情報の管理などに利用できます。
64bit版Windows、macOS、Linuxに対応しています。IFCの形状を低いレベルで直接編集する操作ではIFCの表現規則に関する知識が必要になるため、実務に導入する前に、出力したモデルの形状・属性・図面を受け渡し先のソフトで確認してください。
※参照元URL:Bonsai公式HP(https://bonsaibim.org/)
※参照元URL:Bonsai公式ドキュメント(https://docs.bonsaibim.org/guides/development/installation.html)
※参照元URL:Bonsai公式ドキュメント(https://docs.bonsaibim.org/guides/authoring/understanding_ifc/geometry_and_representations.html)
FreeCADは、無料・オープンソースの3Dパラメトリックモデラーです。FreeCAD 1.0以降はBIMワークベンチが標準で用意され、壁・柱・屋根などの建築要素のモデリングやIFCデータの読み書きに対応しています。
Windows 10以降、macOS 12以降、Linuxで利用できます。実務では公式の安定版を使用し、書き出したIFCデータが納品先や協業先のBIMソフトで正しく開けるかを確認してから運用しましょう。
※参照元URL:FreeCAD公式HP(https://www.freecad.org/features.php?lang=en)
※参照元URL:FreeCAD公式HP(https://www.freecad.org/downloads.php?lang=eng)
商用BIMソフトの無料体験版では、製品版の購入前に操作性や機能、手持ちのパソコンでの動作を確認できます。ただし、無料で使える期間や機能、対応OSは製品ごとに異なります。RebroViewerのように閲覧・確認を目的とした無償ツールもあるため、作図や編集まで試せるかを確認して選びましょう。
| ソフト名 | 無料で使える範囲 | 対応OS | 主な機能・用途 |
|---|---|---|---|
| Archicad | Archicad Studioを30日間 | Windows/macOS | 建築の3D設計、図面化、可視化、共同作業 |
| Revit | 最新版の全機能を通常30日間 | Windows 11 | 建築・構造・設備のモデリング、図面・集計表作成、共同作業 |
| GLOOBE | GLOOBE 2025 Architectを30日間 | Windows 11 | 建築設計、法規チェック、図面・CG作成、RVTデータ連携 |
| Vectorworks | 評価版を30日間 | Windows/macOS | 2D作図、3Dモデリング、BIM、レンダリング |
| RebroViewer | 無償ビューアー | Windows 11(64bit) | Rebro図面の閲覧・印刷、計測、干渉結果の確認、コメント |
| BricsCAD | Ultimateの全機能を30日間 | Windows/macOS/Linux | 2D・3D CAD、BIM、Mechanicalの各機能 |
対応OSや動作環境は、製品のバージョンによって変わります。インストール前に、使用するパソコンが体験版の最新要件を満たしているかも確認してください。
Archicad Studioの無料トライアルは30日間です。Archicadのほか、ローカルサーバー型のBIMcloud BasicとBIMx Proを利用でき、商用版と同じ機能を試せます。無料トライアルを利用できるのは1回で、Archicadを購入したことがなく、過去12か月以内に体験版へ申し込んでいない方が対象です。
WindowsとmacOSに対応し、最低動作環境はメモリ8GB、ストレージの空き容量5GB以上です。建築の3D設計から2D・3D図書化、可視化、チーム連携まで確認できます。DWGやIFC、STL、OBJの入出力にも対応します。JWWの入出力は、Windows版かつVIPservice加入者向けです。
学生・教員向けには、無償の教育版も用意されています。
※参照元URL:Graphisoft公式HP(https://www.graphisoft.com/jp/trial-archicad)
※参照元URL:Graphisoft公式HP(https://www.graphisoft.com/jp/solutions/products/archicad/archicad-function/function-data-relation)
Revitの無料体験版は通常30日間で、最新版の全機能を試せます。建築・構造・設備の3Dモデリングに加え、平面図・立面図・断面図・集計表・シートの作成や、複数分野での共同作業を確認できます。体験期間の延長はできず、終了後も使う場合は有償ライセンスが必要です。
現行のRevit 2027は64bit版Windows 11に対応し、最小構成はメモリ16GB、インストール用ディスク容量30GBです。Mac向けのネイティブ版ではないため、Macで試す場合は、公式に案内されているParallels Desktop上のWindows 11構成も確認してください。
学生・教員は、利用資格を満たす間、1年間の教育機関限定ライセンスを無償で利用でき、資格が続けば更新できます。教育版は教育目的に限られ、実務や商用目的では利用できません。
※参照元URL:Autodesk公式HP(https://www.autodesk.com/jp/products/revit/free-trial)
※参照元URL:Autodesk公式HP(https://www.autodesk.com/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/System-requirements-for-Revit-2027-products.html)
GLOOBE Architectの体験版は30日間です。2026年7月時点で公開されているのはGLOOBE 2025 Architectで、GLOOBE 2026 Architectの体験版は同年10月頃の提供が予定されています。体験版アカウントはパソコン1台につき1つです。
配置図・平面図・断面図・立面図・CGの作成、法規チェック、躯体図、実施設計、FM連携などを試せます。PLATEAUデータの読み込み、RVTの入出力、RFAの読み込みにも対応。一方で、GLOOBE WebViewer出力、点群アシスト、GLOOBE V-style、クラウド対応チームシステムは利用できません。
動作環境はWindows 11 バージョン25H2、Intel Core i7以上、メモリ8GB以上です。製品版を購入した場合はプロダクトIDを変更し、体験版の環境から移行できます。
※参照元URL:福井コンピュータアーキテクト公式HP(https://archi.fukuicompu.co.jp/products/gloobe/download.html)
Vectorworksの評価版は30日間です。
Vectorworks 2026 ArchitectはWindows 11とmacOSに対応し、2D作図、3Dモデリング、BIM、レンダリングに利用できます。IFC・IFCXML・IFCZIP、RVT・RFA、BCFなどのデータを取り込めるため、体験時には取引先から受け取るデータを読み込めるか確認しておくと安心です。
学生・教職員向けの無償ライセンスは発行承認から1年間です。作成ファイルにはウォーターマークが入り、教育版専用形式となります。また、Vectorworks 2025 Viewerは無償で配布されており、Vectorworks 9〜2025形式のファイルをWindowsまたはMacで表示・印刷できます。
※参照元URL:Vectorworks Japan公式HP(https://www.vectorworks.co.jp/exam/faq.html)
※参照元URL:Vectorworks Japan公式HP(https://www.vectorworks.co.jp/Support/sysreq/vw2026.html)
※参照元URL:Vectorworks Japan公式HP(https://www.vectorworks.co.jp/download/detail/vwviewerdl_2025.html)
Rebroには、Rebro図面を閲覧・確認できる無償の「RebroViewer」が用意されています。Rebro2026対応版は64bit版Windows 11に対応し、Rebro形式(.reb)の図面を表示・印刷できます。再配布も可能です。
CG表示やレイヤーの切り替え、距離・角度・面積の測定、部材プロパティや干渉結果の確認に加え、図面へのマーカー・コメント追加、BCF Ver.1/2の入出力、PDF保存が可能です。ただし、設備モデルそのものを作図・編集する製品版とは用途が異なり、個別サポートもありません。
※参照元URL:NYKシステムズ公式HP(https://www.nyk-systems.co.jp/download/viewer)
BricsCADの無料トライアルは30日間です。期間中はBricsCAD Ultimateライセンスとして起動し、2D・3D CAD、BIM、Mechanicalを含む全機能を利用できます。設定を変更すれば、LiteやProなど下位ライセンス相当の機能に切り替えて操作を比較できます。
Windows 10/11、macOS 12以降、Linuxに対応し、最小メモリは8GB、BricsCAD Ultimateの最小ディスク容量は3GBです。体験期間の終了後に利用を続けるには、商用ライセンスのアクティベーションが必要となります。
※参照元URL:Bricsys公式HP(https://help.bricsys.com/en-us/document/bricscad/installation-and-licensing/installing-bricscad/trial-mode)
※参照元URL:Bricsys公式HP(https://help.bricsys.com/en-us/document/bricscad/installation-and-licensing/installing-bricscad/bricscad-system-requirements)
製品版の費用は、エディション、サブスクリプション期間、一括購入の有無、オプション、保守契約によって変わります。異なる料金形態を単純に比較すると実際の導入費用とずれるため、ここではBIM機能を利用できる代表的なプランを、2026年7月時点の公式掲載価格で整理しています。
| ソフト名・プラン | 月額 | 年額・一括購入 | 補足 |
|---|---|---|---|
| Archicad Studio | 56,100円(税込) | 392,700円/年(税込) | サブスクリプション |
| Revit | 64,900円 | 517,000円/年 | 税区分は公式サイトで要確認 |
| GLOOBE Architect 基本 | 公開なし | 198,000円/年(税込) 858,000円/一括(税込) |
実施設計や法規チェックなどのオプションは別料金 |
| Vectorworks Architect | 19,800円 | 198,000円/年 | 税区分は公式サイトで要確認 |
| Rebro | レンタル16,500円(税込) | — | 1か月単位のレンタルプラン |
| BricsCAD BIM | 公開なし | €1,060〜/年 | 国内購入額は公式ストアまたは販売店で要確認 |
表示価格だけでなく、必要なオプション、クラウドサービス、保守、導入支援、教育にかかる費用も含めて見積もりを比較してください。
※参照元URL:Graphisoft公式HP(https://www.graphisoft.com/jp/buy-archicad/price)
※参照元URL:Autodesk公式HP(https://www.autodesk.com/jp/products/revit/compare)
※参照元URL:福井コンピュータアーキテクト公式HP(https://archi.fukuicompu.co.jp/products/gloobe/price.html)
※参照元URL:Vectorworks Japan公式HP(https://www.vectorworks.co.jp/Dealer/index.html)
※参照元URL:NYKシステムズ公式HP(https://www.nyk-systems.co.jp/product/rental)
※参照元URL:Octave BricsCAD公式HP(https://bricscad.octave.com/ja/bricscad/bim)
BonsaiやFreeCADのように、無料・オープンソースで使い続けられるBIMソフトはあります。ただし、実務で使うには必要な図面や属性を作成できるか、取引先のソフトとデータを受け渡せるかの検証が欠かせません。
商用BIMソフトを検討している場合は、無料体験版で操作性、動作環境、必要機能、データ連携を確認しましょう。閲覧・確認が目的なら、無償ビューアーも選択肢になります。
当サイトでは、製品版へ移行する際に比較したいBIMソフトを分かりやすく紹介しています。自社の用途や運用体制に合う製品を選ぶ際にご活用ください。
必要な成果物を作成でき、取引先とのデータ連携にも問題がなければ利用できます。ただし、導入前にIFCデータの形状や属性、図面の再現性、社内のサポート体制を確認してください。
無料版は利用期間を設けずに使える製品や機能限定版を指し、体験版は有償製品の機能を一定期間だけ試せるものです。利用期間、商用利用の可否、保存・出力の制限を確認しましょう。
学生版や教育版は、対象者と利用目的が限定されています。通常は実務や商用目的では使えないため、各製品の利用資格とライセンス条件を確認してください。
IFCなどの共通形式に対応していれば連携できる場合があります。ただし、形状、属性、図面表現が完全に引き継がれるとは限らないため、実際の業務データを使った受け渡しテストが必要です。
無料・オープンソースのBIMソフト、商用製品の無料体験版、無償ビューアーを利用できます。作図・編集まで必要ならBonsaiやFreeCAD、または商用製品の体験版、閲覧・確認が目的なら無償ビューアーを選びましょう。