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BIM活用で積算業務の効率化・標準化!導入方法や注意点などを詳しく解説

目次

2025年・BIM積算の現状
まとめ

BIM積算が今、業界で注目を集める最大の理由は、積算業務の効率化と精度向上、制度化の流れが加速しているためです。BIM積算の実施率は年々増加し、国土交通省の主導でBIMデータを活用した積算の試行もスタート。建築と情報の研究を行っている志手教授(芝浦工業大学)は、「BIMで積算を自動化するもっとも確実な方法は積算対象の資材をモデリングすること」「モデリングを自動化することの最大の効果はデータ表現の正規化と指摘し、正規化されたBIMデータによる自動積算は、業務効率とコストマネジメントの両面で大きな効果をもたらすと述べられています。

また、設計初期から概算精度を高め、関係者間で目標コストを共有できる「ターゲットバリューデザイン」など新しい積算手法も登場し、設計・生産プロセスの手戻り削減や生産性向上にも直結。BIM積算は、建設業界のDX推進と標準化の象徴的なテーマとして、今後ますます重要性を増していく分野です。

参照元:ビルドアップニュース公式HP(https://news.build-app.jp/article/19343/

BIMによって
積算はどう変わるのか?

BIMを活用すると、従来の手拾いや2D積算と比べて数量拾いの自動化や設計変更への即時対応が可能となり、作業効率と精度が大幅に向上します。2D積算では、設計変更があるたびに複数の図面や数量表を手作業で修正する必要があり、ミスや手戻りのリスクが高くなります。

一方、BIMでは3Dモデル上の部材情報が自動的に数量算出や積算データへ反映されるため、設計変更時も即座に新しい情報へ更新されることが特徴です。また、干渉チェックや部材の属性情報も一元管理できるため、現場での確認作業や積算ミスが減少します。クラウド連携により関係者が常に新しいデータを共有でき、設計・施工・積算の連携がスムーズに。結果として、工数削減・コスト精度向上・情報共有の円滑化など、現場の生産性と品質が大きく向上します。

BIM積算の課題とは

BIM積算の現場では、属性情報の不備やソフト間の非互換性、標準化の遅れ、コスト管理精度のばらつきなど、いくつもの課題が顕在化しています。たとえば、BIMモデルに必要な資材や部材の属性情報が十分に入力されていないと、自動積算の精度が大きく低下します。また、RevitやArchicadなど各BIMソフトのデータ形式が異なり、IFC変換時に情報が欠落することも多く、現場ごとに再調整が必要です。

さらに、企業や担当者ごとに命名規則や分類体系がバラバラなため、積算ソフトとの連携や業務フローの標準化が進みにくい現状があります。芝浦工業大学・志手教授は「BIMで積算を自動化するには、資材のモデリングとデータ表現の正規化が不可欠」と指摘し、BIMオブジェクトやそのメタデータの命名規則が人や企業ごとにバラバラでは、名寄せなど自動積算をするまでの準備が大変」と課題を明確に述べています。

このため、BIMモデルの整備と業界共通の標準化推進が、BIM積算の効率化と精度向上のカギとなるのです。

国土交通省の検証や提言
まとめ

国土交通省は、官庁営繕事業を中心にBIMデータを活用した積算業務の試行を進めています。BIM連携積算の導入により、設計段階から積算に必要な形状・属性情報を標準化し、積算ソフトとのデータ連携やワークフローを検証中です。コスト算出方法やBIMモデル作成ルールの標準化を重視し、公共事業での積極的なBIM積算活用を提言しています。

今後は、設計・積算担当者間の連携強化や、3,000㎡以上の新築設計業務など、BIM積算の普及と実務定着を目指しています。

BIM積算の取り組み事例

フジキ建築事務所の事例

導入目的

フジキ建築事務所は、従来の積算業務における効率化と精度向上を図るためにBIM積算を導入しました。BIMモデルの属性情報整備や積算基準への対応といった課題に取り組みながら、より信頼性の高い積算体制を構築することを目的としました。

得られた効果

導入後は、積算作業の大幅な時間短縮や設計変更への迅速な対応が可能となり、積算精度も向上しました。公共工事では積算システムとBIMを連携させ、民間工事ではBIMモデルから直接数量を拾う方法を使い分けることで、活用範囲が広がっています。

現場の声

現場からは、設計変更時にも即座に数量を反映できる点が高く評価されており、従来の積算作業に比べて大幅に効率化できたとの実感が寄せられています。また、案件に応じて「連携型」と「直接型」を使い分けられる柔軟性が、実務において大きな利点となっています。

まとめ

BIM積算は、設計から積算までの業務効率化と標準化を実現する手法として注目されています。近年、国土交通省の推進策や公共工事での義務化方針により導入が加速し、クラウドやAI連携など技術進化も後押ししています。

BIM積算のメリットは、数量拾いの自動化や設計変更への即時対応による作業時間・ミスの削減、コスト精度向上です。一方で、属性情報の整備やソフト間の非互換、標準化の遅れといった課題も残ります。国の支援やガイドライン整備、先行企業の実践事例が普及を後押しし、今後さらなる拡大が期待されています。

当サイトでは、BIM対応ソフトの比較や活用事例なども紹介しています。実際の事例をもとに、導入の参考にしてください。

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