BIMは複雑な3Dモデルを取り扱うものであり、レンダリングやシミュレーション、解析など様々な要素を管理することから高い処理能力やメモリ、高性能のグラフィックボードが必要となるため一般的なパソコンでは処理能力が不足する恐れがあります。
また、必要となるスペックは作業規模によっても異なります。自社規模に応じてPCスペックを選ぶことが重要です。ここでは、必要なPCスペックやPCを選ぶときのポイント、導入前に注意点について紹介します。
BIM作業に求められるPCスペックは作業規模に応じて選ぶことが大切です。大規模設計と中小規模では、メモリ容量など求められるスペックが異なります。
【作業規模別スペック表】
| 作業規模 | CPU | メモリ | GPU | 用途例 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模(単体モデル) | Core i7 / Ryzen 7 | 16-32GB | RTX 3050 / Quadro Tシリーズ | 基本モデリング、2D CAD併用 |
| 中規模(チーム共有) | Core i7 / Ryzen 7 | 16-32GB | RTX 4060 / RTX A2000 | 干渉チェック、数量算出 |
| 大規模(レンダリング) | Core i9(高クロック) | 64GB以上 | RTX A4000以上 | 複雑モデル、VR/シミュレーション |
PCを選ぶときには、ソフトの要件をクリアしたものを選ぶことが大切です。使用するソフト(Revit、ArchiCAD、Vectorworksなど)の公式スペックを参照するようにしましょう。ソフトメーカーと連携して、「このソフトにはこのPCが適しています」と紹介しているケースもあります。
BIMではPCに高い負荷がかかるため、適切な冷却機能を有していることも重要です。拡張性があること、購入後のメンテナンスやサポート体制が整っていることも、PCを選ぶときのポイントです。
PCにはデスクトップとノートパソコンがありますが、拡張性の高さやモニターの大きさなどからデスクトップの方が適しています。ただし、持ち運びができるノートパソコンは電源が無くても操作できるなどのメリットがありますので、外部GPUで対応するなど工夫するのも良いでしょう。
また、PC購入時には、本体価格だけでなく電気代や保守コストも含めた総コストを計算しておくことも大切です。
BIMでは、様々なデータを連携する必要があります。複数チームでデータを連携、共有して作業を進めることも考え、クラウド連携や共通データ環境(CDF)の導入について検討しておきましょう。
また、複数台を導入する際に社内ネットワーク構成、セキュリティ対策について検討し整備しておくこと、将来のBIM/CIM活用を見据えて余裕を持たせておくことも重要です。
BIM作業には複雑なデータを処理するため、高い性能のPCが必要となります。しかし、必要となるスペックは実際の業務内容や作業規模に応じて変わります。大規模案件に対応できるような高いスペックのPCを最初から選ぶのではなく、自社作業規模と予算を考えて中規模スペックから検討してみましょう。
過不足のないスペックのPCを選ぶことは、作業効率を大きく向上させることに繋がります。専門業者に依頼するなどして自社に適したPCを選ぶことをおすすめします。